鬼の跫音(道尾秀介)の感想
鬼の跫音読みました。
30ページ程度の短編が6つでとても読みやすく、道尾秀介入門に適した一冊だと感じました。
鈴虫
それなりにNTR要素がありました。
鈴虫が最後になんと言っていたのかが気になります。
ケモノ
救いようのないオチが好きです。
「物語を通して得る教訓は、どんな場合も必ず主人公の未来に役立つ」なんて都合が良すぎますね。
よいぎつね
ホラー要素強めの釈然としないオチが好きです。
次の短編、「箱詰めの文字」の冒頭がヒントになっているということなのでしょうか。
箱詰めの文字
折原一さんの「倒錯のロンド」を思い出しました。
冬の鬼
日記を遡るように展開していきます。
タイトルの「鬼の跫音」はここから来ているのでしょう。
鬼に見つかれば二人だけの時間は終わってしまうという意味で、冒頭の鬼の跫音は二人を引き裂くものの象徴なのでしょうか。確かにいずれはバレて主人公は捕まるでしょうし、それを示唆しているのか?とか妄想しました。
個人的に一番好きです。
悪意の顔
オチがよくわからなかったので調べてしまいました。
怖いですね。ならキャンパスに書かれていたSや「あの人」の絵は誰が描いたの?と思いましたが、Sが絵が上手いということもちゃんと示唆されていたのでそういうことなのでしょう。