風神の手(道尾秀介)
風神の手(道尾秀介)
面白かったです。
それぞれの短編がリンクする瞬間が気持ちいい。
各々の行動が複雑に絡まって、作用しあって、今を作っているみたいな。いいですねなんか。
きっと自分の両親にも、本人たちも知らないような、二人を引き合わせる原因となった出来事があったのでしょう。その結果自分が生まれたわけですけど、自分はそれを知ることはできずに生きていくんでしょう。そういう因果みたいなものの連鎖で今ができているのだなあと。
ただこういう「〇〇がなかったら自分は生まれてなかった」みたいな表現、どことなく違和感を覚えるんですよ。例え自分が生まれなかったとして、「クッソ〜生まれられなかった」なんて言ってる自分はどこにも存在しないわけで。「自分が生まれた」わけではなく「生まれた存在が成長して自分になった」だけじゃないかと。
うまく言えないんですけど。