BLEACHの「卍解」システムの凄さについて

bleachという漫画には「卍解」と呼ばれるものが登場します。簡単にいうと各々の刀の真の力のようなもので、bleachという漫画を一躍有名にした立役者と言えます。まあ正直似たようなものは他の漫画にも出てきます。

しかし私はこの卍解のシステムが他の漫画のそれとは一線を画し、そして久保帯人の凄さを象徴していると思うのです。

その理由を書き散らしたいと思います。

 

まず設定として「基本的に、護廷十三隊の隊長である=卍解を使える 」と明言している以上、現隊長や過去に隊長であったと明かされたもの全て卍解が使えることが確定します。この「確定する」というのが重要で、するとどうなるかというと、読者が期待します。「このキャラの卍解はどんなだろう」と期待値が勝手に上がってしまうわけです。(引っ張れば引っ張るほど期待値は上がってしまいます)

例えば呪術廻戦にも領域展開という似たようなものが登場しますが、「まだ領域展開を使っていないものの、使える」と明記されているキャラはあまり多くありません。

他の漫画にも似たような必殺技の類は存在しますが、「作者が構想を固めて初めて明かされる」類のものがほとんどで、「使用するずっと前から(詳細は抜きにして)存在が明かされている」タイプは結構少ないと思います。

ましてやbleachのような、二十人近くの人気キャラの刀に対して、かっこいい形態、名前、能力が何年も読者に期待され続けるという漫画家自身にプレッシャーを与えるようなスタンスをとっている漫画は非常に稀なのです。(そして実際、京楽春水や浦原喜助卍解は何年も温めたにもかかわらず、読者の期待を悠々と超える完成度でした。)

つまり卍解システムとは、画力、デザイン、ネーミングセンスに関して圧倒的な実力を持つ久保帯人にしか使いこなせないシステムなのです。